第12回公判の内容は予定どおり弁護人からの最終弁論期日です。合わせて終了近くに被告人2名により各々の被告人最終陳述が行われました。
当日の東京地方(霞が関)のお天気は晴れで気温は14度くらいの昼間はそれほど寒くはない気温でした。
10時過ぎに傍聴人の入廷が終了して、審理が開始されました。
この日は「最終弁論」ということですので、熊本・坂上の両被告人の弁護人があらかじめ提出した文章を読み上げるという内容です。
まず、熊本弁護人(主任弁護人)からの弁論
被告人は無罪です。共謀の事実もありません。公判において、検察は犯罪の立証ができていない。熊本(熊本徳夫被告人)は、(平成電電株式会社が経営に)逼迫していることすら知らない。これらの内容(リースバック取引などによる詐欺行為)があるとすれば平成電電(平成電電株式会社)内部が行ったことである。あたらめて無罪判決を求める。
検察側の主張の構造は仮説にもとづくものばかりであるのは明らかであり、「平成電電の延命」や「資金繰りに困った挙句行った」などと言うのもまったくの仮説である。熊本は平成電電の経営内容すら知らされていないのだ。証人の中澤会計士の証言も当てにならない。
熊本被告人が平成電電の内部事情をしらされていないのは、国友・佐藤(佐藤賢治被告人の公判廷での証言)・中澤(公認会計士の公判での証人尋問)などからも明らかだ。それに平成17年10月中旬(民事再生法の適用申請後)被告人(熊本徳夫)が「寝耳に水だ」ということをもこの国友(証人)は証言している。
その場所での発言の時は森濱田事務所(森濱田・松本法律事務所)の弁護士もいた。その時にいた佐藤(佐藤賢治被告人・元平成電電代表取締役)が「ちょっとすみませんでした」と被告人(熊本徳夫)に謝罪していた。
それらの証言を国友・佐藤(佐藤賢治被告人)がしているのだから被告人が平成電電の内部事情をしらされていなかったのは明らかだ。
それに国友はこのようなことを証言したとしても熊本とは何ら利害関係にはない。
検察の「仮説」では、佐藤(被告人)と被告人(熊本徳夫)がグルということになっているが、その仮説が正しいのなら、被告人は「寝耳に水」ということをその会議の場では言わないはずだ。それに佐藤がその会議の場で熊本に怒られることも恐れて「ちょっとすみません」ということも言わないはずである。
佐藤は熊本に平成電電の財務状況や元帳などもみせていない。佐藤は熊本に公開された以上の(平成電電株式会社)の情報は与えていないのだ。
佐藤は「(熊本に)罵倒されると思った」とも言っていた。それに佐藤は状況の知らない熊本に(そのお詫びのような形で)上場しているドリームテクノロジーズ社の株を60億円で渡そうとした。それ(民事再生法適用申請の平成17年10月3日)の以前にも中澤会計士(証人)は(平成電電株式会社)は「不安要素はない」とも言っていた。
(平成電電株式会社が)経営破綻したとき、高跳び(海外などへ逃亡すること)もしていないし、(民事再生法適用申請直前に募集していた)募集期間は平成17年9月1日から9月30日まで平成電電匿名組合第21号についても投資家に返金された。熊本が平成電電が危ないとしらされたのは民事再生の直前の平成17年9月21日で平成電電経営陣にとってはまさにこの21号の資金は使いどころだったのに、熊本はそれを使わせなかった。したがって、被告人に対する起訴の「仮設」はまさに破綻していると言える。