が東京地方裁判所429号法廷で行われました。
開廷時間は10:00〜11:53。(休憩などの中断はございませんでした)
本日は判決になります。
まず、判決ということで、
9:58 傍聴人入場
10:00〜10:02がテレビカメラでの前景の撮影(被告人を除く列席者・傍聴人がいる状態。被告人らはその後に入場)
10:03 被告人入場
10:04〜10:05 主文読み上げ(裁判長)
10:05〜11:53 理由(要点)読み上げ(裁判長)
傍聴席はほぼ満席になり、いつも5席確保されている(報道関係者席)が9席増してあり、その分一般傍聴席は20席と少なく設定されていました。
判決主文は、先ほどお伝えしたとおりで、
熊本徳夫被告人に懲役6年、坂上好治被告人に懲役3年の実刑判決が言い渡されました。
ただし、両者とも逮捕時から190日 勾留されていたので、その分を差し引く形になります。
訴訟費用は被告人で連帯して負担となっています。
ひきつづいて、残りの時間は、理由の方に移ります
最初から最後まで裁判長である合田悦三判事による説明になります。
・平成電電株式会社の成り立ちから平成17年の平成電電匿名組合第20号募集までの簡単な経緯。(内容省略)
・平成電電元代表取締役と今回被告人である熊本徳夫被告人と坂上好治被告人との関係。(内容省略)
・平成電電匿名組合スキームの説明。(内容省略)
・被告人らは、平成電電匿名組合第20号のご案内と題するパンフレットを29か所30名に送付して、いかにも掲載された匿名組合契約スキームが実行されているものと信じ込んだ結果、UFJ銀行銀座支店(匿名組合第20号の銀行振込口座)に合計3億6千万円を振り込ませるという欺きをおこなった。またその事務作業を事情を知らない従業員を用いておこなわせた。
・争点の主張〜弁護人及び被告人は今回の事件に関して詐欺や共謀の事実もないと主張。
当初平成電電匿名組合を始めた第1号から第9号までは年8%の予想配当率であり、契約通りのスキームでほぼ運営されていたが、平成16年10月募集分の平成電電匿名組合第10号からは、利率も10%の予想配当率に上がり、運営方法もパンフレットや契約時に読むための「重要事項説明書」に記載されいるスキームとは違う「リースバック取引」を行っていた。それらの発案は佐藤賢治被告人(元平成電電代表取締役)であるが、熊本徳夫被告人(元平成電電システム代表取締役)からは(佐藤賢治被告人の)発案した方法だと契約条項に反するから、間に「商社」のようなものを入れたほうがいいということを言われたので、その当時休眠中である「ドリームテクノロジーズセールスジャパン株式会社」を平成電電株式会社と平成電電設備(株)と平成電電システム(株)の間に介在させた。
しかし、平成16年当時、平成電電匿名組合第10号からはじめるためのスキームにおいて、当時の平成電電株式会社の従業員の田代(たしろ)元経理部長や竹村 元平成電電取締役経営企画本部長から大きく反対された。それはリースバック取引といわれることが規約にも違反し、本来の通信機器の簿価に作業代とみなしている分の利益を上乗せするということを佐藤賢治被告人(元平成電電代表取締役)が行っていたからだ。従業員の田代が平成17年の民事再生を行う前の時期に退職してからは、その匿名組合とのやり取りを、田中(現在は国友)経理課長が担当した。
結論として、被告人らは、平成電電匿名組合の運営において、平成電電が著しい債務超過に陥っているという認識や募集時点で倒産するという可能性の認識があったという事までは認められないまでも、平成電電の危機的な状況はこれまでの電子メールや関係者とのやり取りで認識している。そうであっても募集の中止を検討せず、さらに組織的・かつ反復的に行われていた。リースバックスキームに対する機器の特定ができず、物件明細の作成ができないのはやむを得ないとしても、それを反復継続しているうちに、リースバックに対応できる資産が枯渇しても尚、募集し続けていた。そして第20号の時点では、もう投資家に提供する資産は存在せず、資金を単に貸し付けるための手段となっているに他ならない。つまり機器の購入をする意図は全くないということがいえる。
今回起訴されているのは送付された募集パンフレットや重要事項説明書の内容を信じ込んだ、平成電電匿名組合第20号の30名からの合計3億6千万円 にかかるものである。そして20号の募集に関しては全体として約2000名から37億円にものぼる資金を集めていた。これの多くは老後の生活のためにと投資した中高年である。その損失は著しく被害の回復は困難な状況に陥っている。被害者の多くは被告人らに厳罰を望んでいる。
被告人らは佐藤賢治被告人からみると従属的な立場ではあるが、共謀共同正犯であることには違いない。被告人らは、被害の回復どころか、反省をしている様子も全く見られない。そのような理由から現在行われている佐藤賢治被告人の審理がどのような結果になっても今回の判決には影響しない。
ゆえに被告人らは、平成電電の経営状況を知る由がなくても、本来のスキームどおりではない(機器の購入をしないで集めた資金を貸付しているに過ぎない)匿名組合を運営し、それにより多大な被害を投資家に負わせた詐欺行為は実刑をもって(懲役刑を課すことを)臨むほかはない。
本件判決に不服の場合は、東京高裁に2週間以内に控訴の申し立ての手続きをとること。
(以上)